シンプルラーニングとは?
シンプルラーニングは、「動きを学ぶ力」を引き出す新しい学びのアプローチです。リハビリや介護の現場では、正しい方法を“教える”だけでは、身体はうまく変化しません。人が動きを身につけるには、感覚を通して自ら気づき、学び直すプロセスが欠かせません。
本メソッドは、フェルデンクライスなどの学習理論を基盤に、「こう動いてください」と指示するのではなく、本人が自然に動きを見つけやすくなるように関わることを大切にしています。相手の身体の状態や感覚の特性を丁寧に感じ取り、どうすれば“動きやすさ”を感じとり、楽に動けるようになるのかを一緒に探っていく考え方です。
介護・リハビリの現場では、ただ支えたり動かしたりするのではなく、本人が自分の感覚を通して寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行などの動きを少しずつ引き出していけるように関わることが求められます。シンプルラーニングは、そのための“触れる技術”を磨く実践です。力で導くのではなく、相手の中にある小さな動きを感じ取り、それが広がるきっかけをつくります。
予防介助認定協会での学びを修了された方にとっても、シンプルラーニングは次の一歩となる学びです。これまで身につけてきた「安全でやさしい介助」や「相手の動きを尊重する姿勢」をさらに深め、“相手が自分で動きを見つけていく力を支える”ための新しい視点を得ることができます。
“教える”から“引き出す”へ。動きを通して、人が本来持つ可能性を育てる――それがシンプルラーニングです。